平尾昌晃さんの元マネージャー妻と三男・勇気さんの遺産バトルを法的に解説

昭和の偉大な作曲家・平尾昌晃さんが2017年7月に亡くなって、一年余りが経過しました。

しかし、ここへ来て、莫大な遺産を巡って騒動が勃発しているようですね。

今回は、平尾さんの遺産に関する問題を整理していきたいと思います。

◆平尾昌晃さんの遺産

平尾昌晃さんの遺産は、60億円と報道されています。

大雑把な内訳としては、

  1. 港区の社屋…5億円(市場価格)
  2. 平尾さんと妻(後述)が住んでいた港区のタワーマンション…3億円(市場価格)
  3. 楽曲の著作権印税…年間1億円×死後50年間保証=50億円
  4. その他預貯金など…2億円

と言ったところでしょうか。

ほとんどは著作権の印税です。

3億円のタワーマンションって凄いですね…(^_^;)

さすが、昭和を代表する作曲家です。

◆相続人は妻と長男、次男、三男

相続財産(=遺産)が固まったところで、次は相続人を整理しましょう。

平尾昌晃さんは生涯、三度の結婚を果たしており、1人目の奥さんに1人、2人目の奥さんに2人、計3人の息子さんがいます。

長男は一般の人、次男はメディアにも登場する亜希矢さん、そして三男は歌手の平尾勇気さんですね。

平尾さんの最期は、3人目の奥さん(以下、「妻」)に看取られながら旅立ちました。

つまり、法定相続人は、長男次男三男の4人であり、法定相続分は配偶者が50%、子供が50%です。

遺産総額が60億円だとしたら、妻が30億円、長男10億円、次男10億円、三男10億円ですね。

◆著作権は遺産なのか?

平尾昌晃さんの遺産の大部分を占める「著作権」。

不動産や証券なら分かりやすいのですが、そもそも著作権を相続財産と考えていいのでしょうか?

一般人の場合、「著作権」の相続が問題となるケースは希ですからね。

結論としては、「著作権」も立派な相続財産で、印税を含む権利義務は相続人に相続されます。

相続財産としての評価額も、先ほどの計算(年間1億円×死後50年間保証=50億円)で、考え方はおかしくありません。

実際に相続税を計算する時の計算式は、

年平均印税収入額×0.5×評価倍率=評価額

であり、評価額は低く抑えられるようになっています。

◆妻と三男の間で遺産バトル勃発

法定どおりに進めば、問題ないように見える遺産相続ですが、そうは問屋が卸しません。

実際には、法定相続分どおりに遺産が分けられるケースはあまりないのです。

まず、平尾昌晃さんの正式な「遺言」があれば、遺言の内容が最優先されます。

この点、平尾さんは生前に、遺言について弁護士に相談していたようですが、正式な遺言は作成されていないようです。

次に、相続人の間で話し合いがまとまれば、その内容が優先されます。

妻と長男、次男、三男が合意すれば、相続の配分は自由なのです。

今回のケースでは、ここに遺産バトルの火種が潜んでいたようですね。

◆三男の主張…①著作権

三男・平尾勇気さんは、妻が60億円を独り占めしようとしていたと主張しています。

遺産で大きなウェート(50億円)を占める著作権については、妻が「単独で相続できる」という書類を準備し、息子たちに実印を押印させた…としています。

そんな大胆なことを…と思いましたが、これはどうやら真実のようで、妻側の弁護士ですらも、

“(妻は)魔がさしたんですかね”

と話しています(>_<)

妻は、

“この手続に関して初めてのことであったので、私の単純ミスでした”

と弁明しています。

◆三男の主張…②不動産

次に、8億円の価値がある不動産についてですが、これは正確には『平尾昌晃音楽事務所』の所有となっています。

そして『平尾昌晃音楽事務所』の株式の85%は、著作権管理会社である『エフビーアイプランニング』が所有しています。

『エフビーアイプランニング』は、息子三人で株式の過半数を持っているので、間接的に8億円の不動産は息子三人の支配下にありました。

しかし、妻が画策して、いつのまにか『エフビーアイプランニング』が所有する株式を音楽事務所で買い戻していた…というのが三男の主張です。

この件については微妙ですね。

買戻し手続き自体は、平尾昌晃さんと妻が結婚した2013年ごろに行われているので、代表取締役である平尾さんの意思であると言えます。

“8億円の価値のある会社株式の85%を、たった850万円で買い取るのはおかしい”

とも主張されていますが、未上場株なので、税法の範囲内で評価額を圧縮するのは、よくある話です。

◆問題点

客観的に見て、遺産バトルが勃発した原因は、コミュニケーション不足です。

そもそも、平尾昌晃さんと妻が結婚したことを、子供たちに知らされていなかったというところが最大の問題点でしょう。

ある程度、高齢の方が結婚するという事は、遺産配分に変動が生じることを意味します。

そうでなくても、一応おめでたい事である父親の結婚を、息子に知らせないのは寂しい気がしますね。

さらに妻は、著作権の相続を「手続きのミス」としていますが、数十億円が絡む手続きは慎重に慎重を重ねるべきで、ミスでは済まされません。

三男・勇気さんがメディアを巻き込んで「大騒ぎ」していますが、その根底にある不信感は、妻側がまいた種だと言えるでしょう。

一方で、妻はマネージャーとして20年以上平尾さんを支え、高齢の平尾さんの、ある意味面倒を見てきました。

介護とまでは言いませんが、高齢者と同居するという事は、同居した人にしか分からない大変さがあります。

息子たちは、その辺を考慮して、お互い譲り合った遺産分割ができると良かったですね。

なかなか難しいとは思いますが…(^_^;)

◆まとめ

平尾昌晃さんの三男・勇気さんは記者会見で、

“これから相続に直面する皆様に相続の危険性を知ってもらいたい”

とも訴えました。

その言葉を我々も受け止めて、せめて自分の家族は揉めないように準備したいものですね。

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